介護を仕事とする上で、利用者さんとコミュニケーションを取るということは、最も重要なことです。コミュニケーションを取ることでお互いの信頼関係ができ、適切な援助ができるようになります。経験や技術と同時にコミュニケーション能力にも磨きをかけましょう。
コミュニケーションを取るときの基本は、相手の目を見て話しをするということです。この時、無表情や仏頂面ではいけません。常に笑顔を心がけ、相手の話をうなずきながら聞いて下さい。目線を利用者さんに合わせるということも大切です。また、良いタイミングで相づちを打つことができれば、より多くの情報を聞き出すことができるでしょう。
利用者さんの中には、言葉でコミュニケーションを取れない人もいます。そういう時は身振り(ジェスチャー)、表情、身体を触るなどの方法でコミュニケーションを取ります。この非言語コミュニケーションは、言葉でのコミュニケーションよりも圧倒的に多く使われます。常に意識していないと見落とすことがあるので、注意が必要です。逆に言えば、注意深く観察することで、利用者さんの感情や秘めた思いを、その表情や行動や身振りからくみ取ることもできるということです。
介護職の立場からの一方通行ではコミュニケーションは成り立ちません。利用者さん側の立場に立って、感情や思いを共有し寄り添うことがより良いコミュニケーションを生み、現場でのトラブルや事故を防ぎ、質の良い援助ができるようになる1番の方法ではないでしょうか。